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「時間地図」で見る日本の姿 (日経WEB版より)

明治維新期の明治4年7月14日(1871年8月29日)に、明治政府は、それまでの「藩」を廃止して、地方統治を中央管下の府と県に一元化しました。

その後幾たびかの府県統合等を経て、明治20年(1887年)頃にはほぼ今の都道府県のカタチになっています。

実に127年も前のことです。

今、アベノミクスのいくつかの施策が推し進められていますが、その中の大きな柱の一つが「地方の活性化」、「地方創生」であります。

とは言え、大阪にいてつくづく思うのは、「東京の一極集中化」です。

今朝の日本経済新聞の一面に見出し「東京、外資誘致で再生」、「特区の規制緩和 三菱地所など活用」、「金融・ビジネス拠点に」などと大きく取り上げられ、安倍政権の成長戦略の目玉としてこの「東京圏の国家戦略特区」があきらかにされています。

大阪は、地方に一都市に過ぎず、東京ばかりに、「人、モノ、カネ」が集中する構図はますます進行しそうな様子です。

そこで今日の日経WEB版に載っていました、「時間地図」です。

今日10月1日は、「夢の超特急」といわれ子供の頃憧れた新幹線の開業から50周年となる記念の日です。
その特集記事の中に、
「日本を変えた新幹線 ~ビジュアルで振り返る半世紀~」
という特集ページが組まれていました。是非ご覧になってください。
アドレスはhttp://www.nikkei.com/edit/interactive/rd/50shinkansen/chapter1.html
です。
会員登録されていないとご覧になれないかもしれませんので
ポイントとなる「時間地図」を掲載します。

このように、時間でみると「日本の カタチ」は全く今まで思っていた「地図」とは異なります。

今の都道府県のカタチ(100年以上も前にカタチ作られた)をそのままにすることがどうなのか、大いに考えてみたいとおもいました。

 

1965時間地図

1975時間地図

1995時間地図

2014時間地図

「失敗する人の12か条」(樋口武男大和ハウス会長) (気になる phrase 7)

9月22日の「日経プラス10」で、「ニッポンよ!賢人からの提言」 第4回として、樋口武男氏へのインタビュー番組がありました。

樋口武男氏は、売上高2兆7000億円で業界トップを走る大和ハウス工業の会長兼CEOです、
「企業トップのあるべき姿とは」
「リーダーに必要な4つの力とは」
「大企業病に罹った会社とはどんな会社か」
など、語られる内容の一つ一つが内容の濃いものでしたが、一番印象に残ったのは、「成功する人の12カ条、失敗する人の12カ条」でした。

こういった、名言・格言は多くの経営者や各界のリーダーたちが述べており、どれも同じようなもので、その時はなるほどと思ってもスーッと頭の中からすり落ちてしまうのが常です。

「成功する人の12か条」より「失敗する人の12か条」の方が、私にピッタリなので、通常とは逆に「失敗」の方から紹介します。

樋口会長の「失敗する人の12か条」はつぎのとおりです。

【失敗する人の12か条】

1 現状に甘え逃げる
2 愚痴っぽく言い訳ばかり
3 目標が漠然としている
4 自分が傷つくことは回避
5 気まぐれで場当たり的
6 失敗を恐れて何もしない
7 どんどん先延ばしにする
8 途中で投げ出す
9 不信感で行動できず
10 時間を主体的に創らない
11 できない理由が先に出る
12 不可能だ無理だと考える

まったく身につまされる12か条です。

樋口武男氏が言う「成功する人の12カ条」も併せて掲載いたします。

【成功する人の12カ条】

1 人間的成長を求め続ける
2 自信と誇りを持つ
3 常に明確な目標を指向
4 他人の幸福に役立ちたい
5 良い自己訓練を習慣化
6 失敗も成功につなげる
7 今ここに100%全力投球
8 自己投資を続ける
9 何事も信じ行動する
10 時間を有効に活用
11 できる方法を考える
12 可能性に挑戦しつづける

やはり前向きの言葉の方がいいですね!

これも、納得の12カ条です。

 

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BSジャパン(TV東京系)「日経プラス10」ホームページより転載。

日本史+世界史=?

金城武が諸葛孔明を演じた、中国映画「レッドクリフ」、日本でいう「赤壁の戦い」を描いた映画を見たときに愕然と感じたことがある。

この「赤壁の戦い」が行われた、208年は、日本では弥生時代の後半。
邪馬台国が生まれようとしていたときであったことを知り、慌てて、山川出版から出ている高校生向けの世界史補助教材を買い求め、年表で日本の歴史と世界の歴史を見較べてみた。

私にとって、「歴史」は中学・高校と学んだが、苦手な科目であった。
起こったことがらと年を覚えるのが苦痛で、試験が終わるときれいさっぱりと頭の中から抜け落ちてしまってしまうのである。

そして、先ほどの映画「レッドクリフ」見た後、自分の中にあった「日本史」と「世界史」という区分の意味のなさ、中学・高校教育の科目の分け方に大いに疑問を感じた。

先日8月18日の日経新聞に、日本史と世界史を統合した「歴史基礎」の新設とそのカリキュラム試案を提言した日本学術会議の分科会の委員長を務めた久保亨信州大学教授の寄稿文が掲載されていた。以下一部を紹介する。

まず問われるべきは、今、日本の高校生は、どのような歴史認識を身につけ、どのように歴史的に考える力を培っていくかであり、それを踏まえた新たな制度設計である。

高校生は、すでに小・中学校で日本を中心に古代から現代までを概観する歴史を学んでいる。したがって高校では、それを繰り返すのではなく、世界全体の動きに視野を広げ、その中で現代日本の課題を歴史的に位置づけて捉える歴史認識を身につけ、歴史的に考える力を育んでいく必要がある。グローバルな規模で人々や情報が行きかい、経済関係が拡大する中、それに対応できる力が求められるからである。

自国の歴史とともに他国・他地域の歴史も視野に入れることにより、初めて世界の人々との共通の基盤を探り出し、日本への一層の関心と理解を誘う可能性が開ける。それは日本人自身が自国史をより深く理解することにもなる。要は、世界史か日本史かの二者択一ではなく、両者を総合した高校歴史教育の実現でなければならない。

目下、高校歴史教育に関する全国的なアンケートも進めており、国民的な議論を深めていくことが期待される。

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だからこそ、いま自分が正しいと信じる選択をしなければならない 池井戸潤 銀翼のイカロスより (気になる phrase 6)

「物事の是非は、決断した時に決まるものではない。」
中野渡は言った。「評価が定まるのは、常に後になってからだ。もしかしたら、間違っているかも知れない。だからこそ、いま自分が正しいと信じる選択をしなければならないと私は思う。決して後悔しないために。」

池井戸潤の最新作、「銀翼のイカロス」のラストシーンで、東京中央銀行の頭取の中野渡謙が半沢直樹にしみじみ語った言葉である。

「半沢直樹、史上最大の倍返し 今度の敵は巨大権力!」とキャッチコピーも刺激的なこの作品、読み終えました。

頭取命令により経営再建中の帝国航空を任された半沢が、500億円もの債権放棄を求める政府の再生タスクフォースと激突する。巨大権力相手に、史上最大の倍返しとなるか? 発売3日で発行部数が55万部に達した大人気エンタテインメント小説です。

 

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常識にとらわれた、あなたたちの方こそ変人だ 未来工業 山田昭雄元社長 (気になるphrase5)

「変人経営者」と言われ山田昭男氏(今年7月30日没)。

1965年に電気設備資材メーカー未来工業を創業し、ベージュ色の配電管が事業拡大のきっかけ。事業を拡大させ、2014年3月期も増収増益を達成し、連結売上高は352億円、連結営業利益は51億円に達した。

「誰を工場長にするかでもめたので、候補者を集めて鉛筆を倒して決めた」
「社員の名前を書いた紙切れをお盆に乗せて扇風機で飛ばし、一番遠くまで飛んだ者から課長に任命していった」 ・・・ このあたりについては、別途ブログをアップ予定(業績評価・成果主義が本当に機能しているか疑問を持ってみています)

「人間は猿と違って考える力がある。バカでも仕事を与えれば、それなりに成果を出す」
「ホウレンソウ(報告・連絡・相談)は禁止だ。時間と労力の無駄でしかない」
「日本はくだらない国だ。ただ税金を収める価値はある」

常識にとらわれない、異説や異論ばかりである。

「日本人は不思議なもので、右に倣うのが大好きなんだよ」と話していた。頭を働かせていないと、周りに流されて、考え方が画一的になってしまうと危惧していた。

今、取り組んでいる業務は、なぜそのやり方でないといけないのか。答えが「以前からそうだから」「他人もそうやっているから」では、思考停止の証拠だ。
そこにおかしさはないのか、改善の余地はないのか。考えた結果、出てきたのがベージュ色の電線管や、「ホウレンソウの禁止」だったのだろう。

常識にとらわれた、あなたたちの方こそ変人だ――。山田相談役のいる天国から、そんな言葉が聞こえてきそうだ。

 

山田昭雄

 

この本も面白そうなので、amazonで注文してしまいました。

今年はうまいサンマの刺身が食べられないかもしれない

今朝の日経新聞ウエブ版限定記事からの感想です。

北海道のサンマが西日本に届かない。こんな事態が現実味を帯びてきた。

原因は、今年1月から適用されている、「長距離トラック1台では最大で片道16時間のエリアしか荷物を運べない。」というトラック輸送の新規制。2012年4月、関越道で起きた高速ツアーバス事故が原因。

運送業者に高いハードルが課せられ、廃業を余儀なくされた運送業者も多く、来年2015年には14万人ものドライバーが不足するという「2015年問題」もささやかれている。

この事態は、サンマに限らず、中長期的にはあらゆる物流分野に広がる大きな問題である。

日本の物流システムが限界にきているともいえよう。

ネットで気軽に買い物をしている今の生活、あたりまえのようにそのご利益を享受しているが、ネットビジネスも物流システムに大きく依存している。この問題は、宅配やジャストインタイムの仕組みに依存する製造業にも大きなインパクトを与える危険性をはらんでいる問題である。

物流コスト中心でなく、物流に掛かる日数・時間が現状よりプラスになった場合の対策を考え始める時期にきているのかもしれない。

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「中身がグローバルな会社になったかが大事」   藤森LIXIL社長  (気になるphrase 4)

今日の日経新聞2面、【迫真】「プロ経営者」の戦い(4)日本人が変われ 」からのフレーズです。

「中身がグローバルな会社になったかが大事。海外子会社に本社の流儀を持ち込まず、君たち日本人が世界に適応するように変われ」と社内で繰り返す。

日商岩井(現双日)から35歳で日本GEを経て米GEに転職、そして、トステム創業家の出身でLIXILグループの経営統合を主導した潮田洋一郎氏に要請されて住設最大手LIXILグループのトップに転じた藤森義明氏。

国内売上高が97%というドメスティック企業をグローバル企業へと飛躍させるという難題に果敢に立ち向かっておられます。 「20年3月期に1兆円にする」と宣言し、約5000億円を投じ米国の衛生陶器最大手アメリカンスタンダードとドイツの水栓金具メーカー、グローエを買収。海外売上高は約2900億円と着々と拡大しています。

そのような状況下での言葉です。

日経ビジネス2014.5.12号から4回連続の「経営教室」もいいです。

第1回 「勝負は”2点突破”を図る」

第2回 「優秀な社員には繰り返し挑戦させる」

第3回 「国籍は一切問わず人材は世界から登用」

第4回 「前任者を踏襲するトップは不要」

 

藤森

変わらないために変わり続ける。 一風堂Founder 河原茂美氏 (気になるphrase3)

2014年 7月16日(水)の日経プラス10からの話題です。

「次は海外!! ラーメン界のカリスマ 勝ち続ける秘策を語る」と題して、博多ラーメンで有名な「博多一風堂」を立ち上げた「力の源カンパニー」Founderの河原茂美氏がゲストでした。

「ラーメンは鶏ガラ、豚ガラ、人柄の3ガラ」。業界では広く知られる格言だそうですが、この格言、なかなか味のある格言で意味深いものだと感じました。

一風堂は海外にも店舗を展開して、現在37店舗で約90億円の売上ですが、2020年には200店舗を展開する計画だとか。
イスラムの国にも進出を計画中で、ハラルの基準をクリアするためハラル専門業者と組んで開発作業中とのことでした。
当然、とんこつスープが、鶏ガラスープになるわけで、どのような商品展開になるのか興味津津です。

日本人はよく、日本人以外が経営するレストランを「まがいもの」として扱いがちですが、河原さんはこの考えにも異論があるそうです。「世界中の人が自由な発想で作るラーメンがあっていい。寿司だって、米国人がカリフォルニアロールを作ったからこそ、世界食になったわけですから」。

「僕自身は河原茂美ということに変わりはないが、本当の意味あるものにするためには変わり続けていって成長しなければならない。チャレンジしていこうということ。
味はどんどん変わっていく、少しずつ変えていっている。だから10年20年30年たっても一風堂はおいしいと言ってもらえるのだと思う。
人間も同じ。会社も仕事も変化していって丁度いいくらい」

「変わらないために代わり続けている」

 

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「ほかの店を見て歩くなんてしない」 セブン&アイ 鈴木会長 (気になるphrase2 )

日本経済新聞2014.7.9朝刊の記事から、「気になるphrase2」です

3~5月期の連結経常利益が最高益となり、増税後の4月と5月も既存店売上高でプラスを維持したセブン&アイの鈴木会長(81)の言葉です

革新を生み続ける秘密は何か。

「難しいことじゃない。世の中の変化を見続けてきたということ。変化の時はやり方さえ変えればチャンスですよ。」

「僕は他のお店を見て歩いたりしません。今は人気商品もパッと消える。昔は売れている店を参考にしてもよかったけど今は見ても仕方がない。それだけ変化が激しい。」

「最近ビッグデータの活用が指摘されるけど、大きな変化に対応するのは難しいんじゃないか。大切なのは仮説と検証だ。データは単なる結果でしょ。仮説を検証するための道具でしかない。」

飛躍的な成長を遂げる企業には、失敗を恐れない強いトップの存在が不可欠のようです。

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「だから日本はズレている」

古市憲寿(ふるいち のりとし)さんの著書「だから日本はズレている」を読みました。

「リーダーなんていらないし、
絆じゃ一つになれないし、
ネットで世界は変わらないし、
若者に革命は起こせない。」

29歳の社会学者が日本の弱点を突く。

以前から気になっていた社会学者です。

NHK Eテレの
「新世代が解く! ニッポンのジレンマ」
という特集番組で司会を担当しています。

この番組は、1970年以降生まれ以外「立ち入り禁止」の新鮮なスタジオで、
新世代がジレンマを解く番組で
今の若い世代も、なかなかしっかりと日本の未来を考え行動していると
関心を持ちました

今年4月に発刊されたこの本
「だから日本はズレている」は
大分固くなった小生の脳みそに大いに刺激を与えてくれました

「リーダー」なんていらない
「クール・ジャパン」を誰も知らない
「ポエム」じゃ国は変えられない
「テクノロジー」だけで未来は来ない
「ソーシャル」に期待しすぎるな
「就活カースト」からは逃れられない
「新社会人」の悪口を言うな
「ノマド」とはただの脱サラである
やっぱり「学歴」は大切だ
「若者」に社会は変えられない
闘わなくても「革命」は起こせる
このままでは「2040年の日本」はこうなる ・・・・

自分たちが若かった頃大人経ちに対して思っていたこと
それ以上の意見が展開されています

一読する価値は十分あります

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新世代が特!ニッポンのジレンマのHPは
http://www.nhk.or.jp/jirenma/index.html です