人の名前が思い出せない。
ついさっき何かをしようと思ったのに、何をしようとしたのか覚えていない。
もう認知症に近づいてきたのか?
こういった悩みを毎日のように感じているのは、私だけではないと思います。
そこで、脳科学が専門の諏訪東京理科大学・篠原菊紀教授がこれにズバリ答えています。
「年をとったほうが断然、頭は良くなる」
こう篠原教授は言っています。
篠原教授によると、頭の良さには大きく「流動性知能」と「結晶性知能」があるそうです。
「流動性知能」は、計算力や暗記力、集中力、IQ(知能指数)など、いわゆる受験テクニックに反映されるような知能のことで、
この知能は18~25歳くらいがピークで、その後は徐々に落ちていき、40代以降になるとガクンと低下するそうで、これは私も実感しています。
一方、「結晶性知能」は、知識や知恵、経験知、判断力など、経験とともに蓄積される知能のことをいうそうで、
こちらは年齢とともにどんどん伸びて、60代頃にピークを迎えるそうです。
「結晶性知能」は年齢とともに伸びていきますが、「ある時点で飛躍的に伸びる」ものだそうです。
例えば、仕事でも新人の頃はひたすら知識と経験を増やしていくしかないが、ある程度それらが増えると、
『あの情報とこの情報がつながる』とか、
『そういうことだったのか!!』と
目からウロコの体験が増えて、一個一個の知識が連動し始める。その結果、理解力が増したり、いいアイデアが生まれたり、判断力に磨きがかかったり、マネジメント能力が向上したりする。
年齢とともに脳細胞自体の数は減っていくが、頭を使えば使うほど、つまり結晶性知能が伸びれば伸びるほど、脳細胞の分枝が増えてネットワークが密になる。いわば、脳細胞同士が手をつなぎ、連動して動き出すようです。
私の頭もまだ良くなる“伸びしろ”があると思い直し、これからもどんどん伸ばしていこう!と思った記事でした。
日経新聞WEB版 ヘルスコーナー「Gooday」から引用いたしました。
諏訪東京理科大学共通教育センター教授
1960年、長野県生まれ。東京大学教育学部卒業。同大学院教育学研究科博士課程を経て、現在、諏訪東京理科大学共通教育センター教授。専門は脳神経科学、応用健康科学。学習、遊び、運動など、日常的な場面での脳活動を調べている。「私自身、受験勉強をしていた頃よりも、今のほうがずっと頭がよくなっています。そして90歳になったときにはもっと頭がよくなっているはず。その時を今から楽しみにしています」。