カテゴリー別アーカイブ: 相続税

「知らないと損する税金の話」で講演会を実施します

11月14日(土)13:30から15:30の2時間、清水谷高等学校の同窓会館「濟美館」におきまして、「清友会」(清水谷高等学校同窓会)主催の講演会で講演をさせていただきます。

2015年10月16日08時29分45秒

テーマは、表題のとおり「知らないと損する税金の話」で、今ホットな話題であります「マイナンバー制度」
平成27年1月(以降発生した相続)から課税が強化(増税)された「相続税」についてお話をします。

「マイナンバー制度」や「相続税」につきましては、新聞や雑誌、テレビのワイドショーなどでも頻繁に取り上げられ、また、銀行、信託銀行、証券会社などなどが「相続税対策セミナー」を開催して、百家争鳴の状況です。

それぞれが言っておられることには間違いはないのですが、部分的に(説明している主催者側に有利なように)説明されおり、聞かれた方は結局どうしたらいいのかわからない、というのが現状ではないでしょうか。

そこで、難しいテクニック(難しく言うと「節税スキーム」)を使うことなく、基本的なこと整理して理解し、当たり前のことをすれば節税になる、という話をしたいと思っています。

「節税」というより、払わなくていい税金を払わなくていいようにするために頭の整理をしていただけるような話をさせていただきたいと思っています。

ここで話はそれますが、講演会の会場となっている清水谷高等学校の敷地についてふれてみたいとおもいます。

今、NHK朝の連続テレビ小説で放送中の「あさが来た」についてですが、主役のモデルとなっている「広岡浅子」氏は、日本で始めての女子大学校(東京にある日本女子大学)の創立に尽力をされたのですが、元々は大阪の地に作るべく、大学設置用地として確保されていたのが、わが母校「清水谷高等学校」の地なのです。

大学設立のための資金が大阪で集められなかった関係で、asagakita東京で設立されることになり、大阪で確保されていた場所は、「府立高等女学校」設立の時期でもあり、「大阪府立第一高等女学校」としての開校が認可され、1901年4月28日の「大阪府立清水谷高等女学校」として開された経緯をもっています。

明治40年に5周年記念事業として建てられた同窓会館「濟美館」所蔵の書額は、当時の大村校長が日本女子大学の成瀬仁蔵を通じて西園寺公望公に揮毫を依頼したモノです。また、『濟美』は、教育勅語の「世世美厥濟」(世世にわたって立派な行いをしてきた)に由来しているとのことです。

講演会、多くの皆様のお越しをお待ちしております。

銀行預金は相続財産であるが遺産分割の対象ではない (相続税の勘所2)

今週、枚方税理士研究会の研修からの話題です。

今回は、相続税に入る前の、民法の話です。

亡くなられた被相続人の相続財産には、現金や銀行預金、土地建物などがあります。
これら相続財産は、当然遺産分割の対象だと私は思っていました。

でも、違ったのです。

銀行預金は、相続財産ではありますが、「法定相続分で当然分割されるるため、遺産分割の対象ではない」との最高裁判決(昭和30年5月31日)が出ているのです。

ただ、実務上(朝廷・審判)は、相続人全員の同意を得て遺産分割の対象としているのが現状です。
ただ、相続人の一人でもこれに明確に反対すれば、遺産分割の対象から外れ、法定相続分での相続となるわけです。
また、裁判になれば、不動産や証券などの遺産は、裁判所が各種の事情を考慮して、誰に何を相続させるかということまで取り決めますが、ここで預金と他の相続財産は扱いが異なり、裁判官は、各相続人が当然に、法定相続分に応じた預金払戻請求権を分割取得するという立場をとります。

また、銀行側の事情もあります。

相続人が故人の預金を払い戻そうとする場合には、銀行は、通常相続人全員で払戻用の書類に署名押印することを求めてきます。

銀行の側からすると、個々の相続人からの払い戻し請求に応じてしまうと、あとで他の相続人から既に払戻した部分まで二重に請求をされたり、双方の主張に巻き込まれて混乱する危険性が無いとは言えませんから、それを理由に全員の署名と実印を要求してくるわけです。

相続対策を考える上で、少し考えておきたい知識でした

※ このコラムは、黒瀬j法律事務所 弁護士黒瀬英昭先生の研修「相続・遺言・事業承継実務 ~弁護士の活用法~」の内容の一部を私なりに取りまとめたものです。
黒瀬法律事務所のホームページはhttp://www.kuroselaw.com/です。

「代表者借入金」の恐ろしさ (相続税の勘所 その1)

昨日、近畿税理士会東支部の研修を受けてきました。
その研修内容からの話題です。

会社の資金繰りが苦しくなると、社長が会社にお金を貸し付けることがよくあります。

また、資金繰りの関係で、社長への給料を一部未払いにしていると、これも、会社にお金を貸し付けたことと同じです。

会社からみるとまさに「借入金」です。

資金繰りが改善して、「借入金」を返済できたらいいのですが、
低調な業績続くと、会社からの返済が進まずに、代表者からの借入金がどんどん増えていってしまいます。

代表者借入金を返済できずに、増加し続け、数千万円にも達している会社も結構あります。

ここで問題となるのは、この状態で社長が亡くなった場合です。
代表者からみると、会社に対する貸付金となりますので、
この「貸付金」は、「財産」で、相続税の対象となってしまうことです。

たとえば社長から会社への貸付金が3,000万円あって、
相続税の税率が30%に達していれば、
900万円(3,000万円×30%)もの、相続税を支払うことになります。
会社の業績が回復し、貸付金を返済できる状況があれば、返済金で徐々にでも相続税を支払うこともできますが、
長期間業績不振を続けてきた会社は、代表者が変わっても業績が回復せず、相続税の納税資金を工面するのにも苦労することになります。

財産評価基本通達で、これら「貸付金債権等」は、
原則として「元本の価額」と「利息の価額」とされています。
例外として、その会社が相続時点で、
●振り出した手形が不渡りとなったこと
●民事再生法の決定があったこと
●破産の宣告があったこと
●重大な損失を受けて事業廃止または6ヵ月以上休業
などと厳しい状態になっているなどの時に限って
「評価額をゼロにする」などの例外的な扱いをすることができます。

しかし、会社が事業を継続している限り、
例えば、先代社長が亡くなって、息子さんが代表者を引き継いでいる場合は、「貸付金」+「未収利息」の額面で相続税が掛ってしまいます。

では、どうすればいいのでしょうか?

代表者が亡くなってからでは遅いのです!事前の対策が必要です。

一番簡単な対策は、会社への貸付金について「債権放棄」をすることです。
その分の貸付金が少なくなり、将来払う相続税が節税になります。
注意すべきは、会社側で「収益」を計上する必要があるということです。
会社では、税務上「債務免除益」を計上することになります。
繰越欠損金が多額で、代表者の「貸付金」等の額と見合う金額であれば、
効果的な方法と言えるでしょう。

それでは、繰越欠損金の額が「代表者貸付金」の額と見合わない場合はどうすればいいのでしょうか?

会社を解散させ、新たに会社を設立するという技があります。
でも、先代社長の相続が発生してからでは遅いのです!

決算書の「代表者借入金」が相当額あり、
返済できる状況にないなら、
早めの対策が必要です!