日本史+世界史=?

金城武が諸葛孔明を演じた、中国映画「レッドクリフ」、日本でいう「赤壁の戦い」を描いた映画を見たときに愕然と感じたことがある。

この「赤壁の戦い」が行われた、208年は、日本では弥生時代の後半。
邪馬台国が生まれようとしていたときであったことを知り、慌てて、山川出版から出ている高校生向けの世界史補助教材を買い求め、年表で日本の歴史と世界の歴史を見較べてみた。

私にとって、「歴史」は中学・高校と学んだが、苦手な科目であった。
起こったことがらと年を覚えるのが苦痛で、試験が終わるときれいさっぱりと頭の中から抜け落ちてしまってしまうのである。

そして、先ほどの映画「レッドクリフ」見た後、自分の中にあった「日本史」と「世界史」という区分の意味のなさ、中学・高校教育の科目の分け方に大いに疑問を感じた。

先日8月18日の日経新聞に、日本史と世界史を統合した「歴史基礎」の新設とそのカリキュラム試案を提言した日本学術会議の分科会の委員長を務めた久保亨信州大学教授の寄稿文が掲載されていた。以下一部を紹介する。

まず問われるべきは、今、日本の高校生は、どのような歴史認識を身につけ、どのように歴史的に考える力を培っていくかであり、それを踏まえた新たな制度設計である。

高校生は、すでに小・中学校で日本を中心に古代から現代までを概観する歴史を学んでいる。したがって高校では、それを繰り返すのではなく、世界全体の動きに視野を広げ、その中で現代日本の課題を歴史的に位置づけて捉える歴史認識を身につけ、歴史的に考える力を育んでいく必要がある。グローバルな規模で人々や情報が行きかい、経済関係が拡大する中、それに対応できる力が求められるからである。

自国の歴史とともに他国・他地域の歴史も視野に入れることにより、初めて世界の人々との共通の基盤を探り出し、日本への一層の関心と理解を誘う可能性が開ける。それは日本人自身が自国史をより深く理解することにもなる。要は、世界史か日本史かの二者択一ではなく、両者を総合した高校歴史教育の実現でなければならない。

目下、高校歴史教育に関する全国的なアンケートも進めており、国民的な議論を深めていくことが期待される。

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日本史+世界史=?」への2件のフィードバック

  1. 八木紀一郎

     日本史と世界史の統合もいいのですが、日本史はまず東洋史の一部としてはじめて客観的に認識できるものでしょう。そのうえで、高校の世界史自体が、西洋史と東洋史を交代に並べたような構成になっていて、グローバルな認識を与えるものになっていないのが問題です。
     これは、幕末から明治期以来の日本の学者が(いまでも)知識の輸入先を東洋から西洋に乗り換え、それを「世界」とみなしてきたことによるものではないかと思います。西洋の帝国主義が世界を制覇していた時期ですから無理もないことですが、これからは違った世界になるでしょう。西洋の学者のなかには”リオリエント”(東洋主導の世界史)を考える人すら出てきていますが、日本の学者はまだまだ西洋優先の心性が強いですね。私は経済学者であって歴史家ではありませんが、歴史家たちの自己革新に期待します。

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    1. admin 投稿作成者

      八木先生ありがとうございます。私は、今まで単純に、日本・中国・西洋という区分でみておりました。日本を東洋史の一部としてみるという視点、東洋主導の世界史という視点で見直してみたいち思います。また、経済的・政治的な視点から歴史もみてみたいとおもいます。

      返信

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