社説読み比べ 集団的自衛権について

「集団的自衛権」について、議論百出ですね。

何が問題となっているのか、ひとつのメディアだけで自分の意見を決めてしまうのは非常に危険だと思います。五大紙の社説だけでもこれだけ論調が違うのです。

日経新聞 http://www.nikkei.com/article/DGXDZO73648950S4A700C1EA1000/
「助け合いで安全保障を固める道へ」

産経新聞 http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140702/plc14070203220003-n1.htm
「集団的自衛権容認 『助け合えぬ国』に決別を」

読売新聞 http://www.yomiuri.co.jp/editorial/20140701-OYT1T50151.html
「集団的自衛権 抑止力向上へ意義深い「容認」」

朝日新聞 http://www.asahi.com/paper/editorial.html
「集団的自衛権の容認―この暴挙を超えて」

毎日新聞 http://mainichi.jp/opinion/news/20140702k0000m070166000c.html
「歯止めは国民がかける」

今、世界の中で日本の置かれている立場をどうとらまえるかという、現状認識が大切だと思います。日経新聞の社説の一部を転載いたします。

「一部からは「海外での戦争に日本が巻き込まれかねない」といった不安も聞かれる。しかし、日本、そしてアジアの安定を守り、戦争を防いでいくうえで、今回の決定は適切といえる。国際環境が大きく変わり、いまの体制では域内の秩序を保ちきれなくなっているからだ。

自国が攻撃されなければ、決して武力を行使しない。親しい国が攻撃され、助けを求めてきても応戦しない。日本は戦後、こんな路線を貫いてきた。

これで平和を享受できたのは、同盟国である米国が突出した経済力と軍事力を持ち「世界の警察」を任じてきたことが大きい。日本の役割は米軍に基地を提供し、後方支援をするにとどまっていた。

ところが、この仕組みは金属疲労を起こしている。中国や他の新興国が台頭し、米国の影響力が弱まるなか、米国だけでは世界の警察役を担いきれなくなっているからだ。

すでに経済ではこの変化は明白だ。世界の国内総生産(GDP)に占める主要7カ国(G7)の割合は、2000年の66%から13年には47%に落ちた。米国は日欧と組んでも、世界の経済運営を主導するのが難しい。

軍事力ではなお、米国の力がずぬけているが、中国の軍拡によって、東シナ海や南シナ海での米軍の絶対優位も崩れようとしている。米中の国防費が30年に逆転するとの予測もある。

米国の影響力の衰えを見計らったように、中国はアジアの海洋で強気な行動に出ている。北朝鮮が国連制裁を無視し、核やミサイルの開発を続けるのも、米国の威信の弱まりと無縁ではない。

だとすれば、米国の警察力が弱まった分だけ、他国がその役割を補い、平和を守るしかない。

米国の同盟国や友好国である日本や韓国、オーストラリア、インド、東南アジアなどの国々が手を携え、アジア太平洋に安全保障の協力網をつくる。この枠組みを足場に中国と向き合い、協調を探っていく――。

日本は米国と一緒にこんな構想を進め、他国と助け合い、平和を支える道を歩むときだ。そのためにも、集団的自衛権を使えるようにしておく必要がある。」(日経新聞2014.7.2社説より抜粋)

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