カテゴリー別アーカイブ: NIKKEI Business

「第三者委員会」の独立性に疑問? (気になるphraze20)

日経ビジネスの最新号(2015.11.23)に「スクープ 東芝 減損隠し 第三者委と謀議 室町社長にもメール」と題した一大スクープ記事が掲載された。

メールの内容は、「第三者委員会の松井(秀樹)委員から、森・濱田(松本法律事務所)のF弁護東芝第三者委員会メール士に連絡があった。WEC及びL+Gの減損について、丸の内総合(法律事務所)としては調査するか否かは会社(東芝)で判断すべきとの見解で、第三者委として会社の意向を確認したいとのこと」である。

つまり、東芝の第三者委員会は、東芝経営陣と第三者委員会の謀議によって、米原子力子会社の巨額減損が不正会計の調査対象から外されていたのである。

同誌は、2015.8.31号においても今回の不正経理事件について、「社員が決死のの告白 東芝腐食の原点」と題した特集を組んで、次のように伝えている。

「歴代3人の社長が辞任した。第三者委員会は核心に切り込まず、お手盛りの報告書でお茶を濁す。そして辞任した3社長は、不思議なことに今なお出社を続けている。東芝は根本原因に蓋をしたまま、問題の幕を引こうとしている。」

そして、記事の最後で東芝社員に、
「東芝の社員なら知っているはずだ。日本郵政の社長を務める西室が、東芝社内でスーパーリーダーと呼ばれ、今も本社38階の役員フロアに君臨していることを。引責辞任したはずの西田厚聰、佐々木則夫、田中の3人は今なお出社し、社内を闊歩していることを。
どんなに立派な社外取締役をそろえようとも、どんなに精巧なガバナンスの仕組みを導入しようとも、利益操作を主導した病巣を駆除しない限り、東芝の真の再生はない。」
「このまま首をすくめて嵐が過ぎ去るのを待つか。東芝不正の手口正義のために行動するか。それを決めるのは、東芝の真実を知っているあなたである」と情報提供を求めていた。

そして、関係者から提供されたのが、冒頭に紹介した「極秘」とされたメールである。

「不正発覚後に設ける第三者委員会は、海外では珍しい日本独特の存在だ。」と本日(2015.11.23)の日経新聞は伝えている。「米国では証券取引所の規則により独立性の高い社外取締役が取締役会の過半数を占める。経営トップの不祥事が発覚すれば社外取締役により責任を厳しく追及され、解任されることも多い。」ようだ。

横浜のマンション傾斜問題での「旭化成建材」や「東洋ゴム工業」の第三者委員会(外部委員会)の活躍(?)が続いているが、、これら一連の問題は、外部取締役の役割、ひいては日本企業のガバナンスそのものに対する大きな問いかけであり、多くの企業で「他山の石」すべきであると感じた。

「羽田クロノゲート」の衝撃 

昨日の「日経プラス10」に、ヤマトホールディングスの木川眞社長が出演されていました。

私自身、ネットで本などの購入を良くします。Aaonはよく利用するサイトで、その便利さを実感してしまうと、元の購買形態には戻れないと思っています。

Amazonのサイトの作り方も利用しやすいように作られており、特に本など、書店で実際に手に取ってみるより、「カスタマーレビュー」が非常に参考になります。(本屋さんに行くと、表紙のキャッチコピーなどで無駄買いをしてしまうことが多々ありました。)

本題に戻ります、Amazonの配送で気になっていたことがあります。
当初は、ヤマトの配送だったのですが、途中から佐川急便に変更になり、またヤマトに戻っています。
佐川に変更になった時に感じた”違和感”がヤマトに戻って消えました。

その元には、ヤマトの物流や配送サービスに対するポリシーがあると思います。

かつて「宅急便」でイノベーションを起こしたヤマトホールディングス。
宅配便の取扱い個数は、ヤマトの「宅急便」だけで15億個(2012年)、国内全体では35億個(2012年)に上っています。

アマゾンや楽天が牽引する通販市場の急拡大に伴い、消費者のニーズは、購入した商品をいち早く、指定した時間に、確実に届けてほしいということで、要求水準は高まる一方です。

膨張しつづける荷量はもう限界にきているようで、木川社長は、宅急便の仕組みを作り直すことが喫緊の課題としてとらえていました。

ポイントは、
・ 現場がパンクする前に自らの物流モデルを切り替える。
・ 東京・名古屋・大阪の3都市にゲートウエイ(GW、ベルトコンベヤーが縦横無尽に走る大型の物流ターミナル)を作り(一つで投資額約200億円)、GW間は日中から多頻度配送する(今までは、溜めておいて夜中にまとめて配送)ことにより、当日配送を実現する。
・ このGWの機能を使って、製造工場でのジャストインタイムをアシストする。沖縄にある「沖縄国際流通ハブ」を使いアジアの生産拠点に「翌日配送」を実現する。
・ 今までの物流業の「物を置いておく」から、荷物が流れ続け、流れる間に付加価値をつける。

凄いことが起こっているということは分かっても、、私自身実際のところはよくわかっていませんが、「羽田クロノゲート」と、「東名阪のゲートウエイ」、そして、「沖縄国際物流ハブ」が組み合わさって、流通だけでなく生産まで大きな変化が起こりそうで、実際に動き出す来年からが楽しみです。

 

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(日経ビジネス 2013.9.16号より)

 

 

 

 

 

「中身がグローバルな会社になったかが大事」   藤森LIXIL社長  (気になるphrase 4)

今日の日経新聞2面、【迫真】「プロ経営者」の戦い(4)日本人が変われ 」からのフレーズです。

「中身がグローバルな会社になったかが大事。海外子会社に本社の流儀を持ち込まず、君たち日本人が世界に適応するように変われ」と社内で繰り返す。

日商岩井(現双日)から35歳で日本GEを経て米GEに転職、そして、トステム創業家の出身でLIXILグループの経営統合を主導した潮田洋一郎氏に要請されて住設最大手LIXILグループのトップに転じた藤森義明氏。

国内売上高が97%というドメスティック企業をグローバル企業へと飛躍させるという難題に果敢に立ち向かっておられます。 「20年3月期に1兆円にする」と宣言し、約5000億円を投じ米国の衛生陶器最大手アメリカンスタンダードとドイツの水栓金具メーカー、グローエを買収。海外売上高は約2900億円と着々と拡大しています。

そのような状況下での言葉です。

日経ビジネス2014.5.12号から4回連続の「経営教室」もいいです。

第1回 「勝負は”2点突破”を図る」

第2回 「優秀な社員には繰り返し挑戦させる」

第3回 「国籍は一切問わず人材は世界から登用」

第4回 「前任者を踏襲するトップは不要」

 

藤森

トヨタ 迫る崖っぷち

年間販売台数1000万台を世界の自動車メーカーで始めてなし得たトヨタ。
14/3月期で、売上高25兆6919億円、営業利益は過去最高の2兆2921億円。
完全復活をしたかと言われるトヨタ自動車。

お得意の「カイゼン」提案件数がピークの2007年比、2/3まで落ち込んでる。など、生産現場に異変が起こっている。

燃費競争でも、マツダやホンダに遅れをとった。

トヨタを待ち受けている危機とは主に3つです。「新興国市場での苦戦」、自動運転車などに代表される「パラダイムシフト」、そして強さの源泉だった「現場で起こっている軋み」。それはトヨタのみならず、日本のモノ作り企業全体に共通する危機でもあります。

経営トップである豊田社長と、それを支え実質的に現場を取り仕切る6人の副社長の立場の取材記事。

自らの会社と重ね合わせて将来の経営戦略を練る。現在のトヨタは、その際、格好の教科書になります。

(日経ビジネス 2014.6.30 号)

 

日経ビジネス 2014.6.30号